Vol.44 無線LAN・Wi-Fiルーターはどう選ぶ?押さえておきたいベストな条件
エレコムWi-Fi製品購入ガイド無線LANの基礎知識

無線LAN・Wi-Fiルーターはどう選ぶ?押さえておきたいベストな条件

家庭内にも急速に普及してきたWi-Fi(ワイファイ)環境。データ通信量の残りを気にせず、スマートフォンやタブレットでインターネットを楽しむためには必須の環境となっています。
Wi-Fi環境を構築するためには無線LANルーターの導入が必要ですが、インターネットの使い方や使う場所によって、選択するモデルも変わってきます。

Wi-Fiを使う場所と使い方によってルーターを選ぼう

スマートフォンやタブレットが普及したのに伴って、家庭内ではWi-Fi環境が普及しつつあります。Wi-Fi環境を導入することで、スマートフォンやタブレットだけでなく、Wi-Fiに対応したパソコンやプリンター、テレビといったデバイスが無線でインターネットに接続できるようになります。

Wi-Fiを利用するにはインターネット回線を契約していることが大前提ですが、それ以外にも無線LANルーター(Wi-Fiルーター)という機器の設置が必要になります。

Wi-Fiと無線LANの違い

ところで、「Wi-Fi」と「無線LAN」の違いについて疑問をお持ちの方もいるかと思いますが、無線LANとは、無線通信を利用してデータを送受信するLANシステムのことを指しており、Wi-Fiも基本的に同様の意味を持ちます。

では、なぜ2つの言葉があるのかというと、Wi-Fiというのはアメリカに本拠地を置く業界団体「Wi-Fi Alliance」によって決められた無線LANの国際標準規格のことです。つまり、Wi-Fiも無線LANの規格のひとつなのです。

すなわち、「Wi-Fiは無線LANのことである」とは言えますが、「無線LANはWi-Fiのことである」とは言い切れないのです。ただし、現状で一般的に使われている無線LANの規格はほぼWi-Fi規格であるため、無線LANのことをWi-Fiと呼ぶのが一般的となっています。

無線LANルーターの選び方

無線LANルーターは、2,000~3,000円程度で購入できるものから20,000円程度するものまで、価格帯はさまざまです。価格は、おもに電波強度や対応している通信速度のほか、搭載している機能によって決まります。
無線LANルーターを購入する際は、使用する家の状態やインターネットの使い方に合わせて選びましょう。

無線LAN選びは家の間取りが重要

無線LANルーターを選ぶとき、まずチェックをしておきたいのは家の間取りです。戸建ての2階建てとワンルームマンションとでは、必要な電波強度が異なるからです。

無線LANルーターの電波出力は、電波法により出力を10mW以下と定められています。この出力でも直線距離100mくらいであれば、日本の住宅なら大抵は通信が可能となります。しかし、Wi-Fiの電波はドアや壁といった障害物にぶつかると、減衰しながら反射する性質がありますので、実際の家の中では到達距離が短くなります。また、紙や木材などであれば電波はある程度突き抜けるため、木造住宅では電波が到達しやすいのですが、鉄筋コンクリートのマンションでは電波が到達しにくくなります。

もし、電波が到達しにくい戸建ての2階建てや鉄筋コンクリートのマンションに住んでいる場合、無線LANルーターの近くにインターネットに接続するデバイスを置くという方法があります。しかし、スマートフォンやタブレット、ノートパソコンなど、移動して使用するデバイスの場合だとそうはいきません。

「ビームフォーミング」や「MU-MIMO」機能の搭載でストレスフリーな環境に

スマートフォンやタブレット、ノートパソコンを家のどこにいても通信できるようにするには、内蔵しているアンテナを外付けにしたり、アンテナの本数を増やしたりするのが有効です。また、電波をハイパワーにしたタイプの無線LANルーターを使用するのもおすすめです。

また、無線LANルーターによっては、ルーター本体から離れた場所や障害物が多い場所などでも、iPhoneやスマートフォンで高速通信ができるようになる「ビームフォーミング機能」を搭載しているタイプもあります。この機能は、通信を行っているiPhoneやスマートフォンに狙いを定めてWi-Fiビームを放つものです。これを利用することにより、それまで電波が届かなかった場所でも通信ができるようになるほか、これまで通信速度が低かった場所でも高速化が期待できます。

そのほか、家族が同時にスマートフォンやタブレット、ノートパソコンを使っていると通信速度が低下する場合があります。それは、無線LANルーターが端末1台と1対1で通信を行っているため、複数端末で通信を行ってしまうと、他の端末にタイムラグが生じるからです。それを解決するには、複数端末に別々のデータを送信できる「MU-MIMO機能」を搭載している無線LANルーターを選びましょう。

ただし、この機能を活用するためには、スマートフォンやタブレット、ノートパソコンがMU-MIMOに対応している必要があります。最近の機種であれば対応していますが、対応しているかどうかは、取扱説明書などで確認しておきましょう。

高速通信ならWi-Fi規格「11ac」がおすすめ

数あるWi-Fi通信規格。もし、高速で通信をしたいのであれば、現在普及しているWi-Fi規格のうち、最高速度が出せるIEEE 802.11ac(通称「11ac」)に対応している無線LANルーターを選びましょう。最大通信速度は6.9Gbpsにもなりますので、動画を視聴するような場合には特におすすめです。

ただし、インターネットでWebサイトを見たり、メールを送受信したりといった利用方法が主体であれば、それほど高速で通信できる無線LANルーターでなくても構いません。IEEE 802.11n/g/bに対応した最大通信速度300Mbpsの無線LANルーターでも十分でしょう。

しかし、これらの最大通信速度はあくまでも理論値です。契約しているインターネット回線の通信速度を超えることはありませんし、時間帯によって通信速度も変化します。もちろん、家の中の障害物などでも通信速度が低下します。

そのため、実際に送受信されるデータの量である実測値は、理論値の約半分~3分の1程度になるケースが大半となります。しかし、最大通信速度の理論値が高ければ実測値もそれに比例して高くなりますので、無線LANルーター選びに迷ったときには最大通信速度の速いタイプを選ぶようにしましょう。

無線LANルーターの便利な機能

無線LANルーターで重視したい機能は通信速度だけではありません。エレコムの製品には、家庭・オフィスでの使用において有用な機能が搭載されていますので、ここでご紹介しましょう。

・こどもネットタイマー

Wi-Fiを自宅に導入して、いつでもインターネットに高速で接続できるようになると、子供たちがスマートフォンでゲームをやり続けてしまう…なんてこともあるかと思います。このような心配に対して、登録した特定のデバイスだけ、インターネットに接続できる時間を制限する機能が搭載された無線LANルーターがあります。この機能は「こどもネットタイマー」と呼ばれており、予め設定した時間だけインターネットに接続ができるようになっています。

・トレンドマイクロ スマートホームネットワーク

スマートフォンやタブレット、パソコンをインターネットに接続する場合、セキュリティソフトをインストールしておくのはあたりまえとなっています。しかし、さまざまなデバイスがインターネットに接続できるようになって、セキュリティソフトをインストールできないデバイスも増えてきました。例えば、テレビやゲーム機、ネットワークカメラ、エアコンなどがそうです。

ただし、セキュリティソフトがインストールできないとはいえ、セキュリティ上の脅威にさらされないわけではありません。そこで、あらゆるデバイスをウイルスの脅威から守る機能が「トレンドマイクロ スマートホームネットワーク」です。

セキュリティソフトをインストールできないデバイスをインターネットに接続しているのであれば、この機能が搭載されている無線LANルーターを選びましょう。すでにセキュリティソフトがインストールされているデバイスであっても、二重のブロックでネットワーク環境を脅威から守ってくれます。

<無線LANルーター購入のためのチェック表>

製品名 WRC-2533GHBK2-T
WRC-2533GHBK-I
WRC-1900GHBK-S
WRC-1750GHBK-E
WRC-1167GHBK2-S WRC-1167GHBK-S WRC-1167FEBK-S WRC-300FEBK-S
間取り 戸建て3階建てまで
マンション4LDKまで
戸建て3階建てまで
マンション4LDKまで
戸建て2階建てまで
マンション3LDKまで
戸建て2階建てまで
マンション3LDKまで
戸建て2階建てまで
マンション3LDKまで
戸建て1階建てまで
マンション1LDKまで
家族人数 6人まで 6人まで 5人まで 4人まで 3人まで 1人まで
11ac対応 ○(最大1,733Mbps) ○(最大1,300Mbps) ○(最大867Mbps) ○(最大867Mbps) ○(最大867Mbps) ×(最大300Mbps)
アンテナ数 送信4本×受信4本 送信3本×受信4本
(WRC-1750GHBK-Eは送信3本×受信3本)
送信2本×受信2本 送信2本×受信2本 送信2本×受信2本 送信2本×受信2本
ビームフォーミング対応
(WRC-1750GHBK-Eは対応なし)
MU-MIMO対応
トレンドマイクロスマートホームネットワーク対応 ○(WRC-2533GHBK2-Tのみ)
こどもネットタイマー対応