Vol.48 Wi-Fiルーターを快適に使うために…アンテナの役割と電波を安定させる使い方
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Wi-Fiルーターを快適に使うために…アンテナの役割と電波を安定させる使い方

Wi-Fiルーターには、アンテナがついている物とついていない物がありますが、どのような違いがあるのかご存じですか?意外と知られていないWi-Fiルーターのアンテナの役割を知り、使い方を工夫することで、より快適にWi-Fiを利用することができるようになります。

Wi-Fiルーターにおけるアンテナの役割

Wi-Fiルーターとは、簡単にいえば、電波を使って無線でLAN接続することにより、インターネットなどを利用できるようにする機器です。LANケーブルを使わなくても、電波さえ届けばインターネットが利用できるため、最近はWi-Fiルーターを導入する家庭が増えています。

LANケーブルの代わりとなる、電波を送受信するのがアンテナの役割です。実はWi-Fiルーターだけではなく、パソコンやスマホ、タブレットなどにもWi-Fi用のアンテナは搭載されています。

Wi-Fiルーターにはアンテナ内蔵タイプと外部アンテナタイプがある

Wi-Fiルーターには、アンテナを筐体に内蔵しているタイプと、外部に装着しているタイプがあります。内蔵アンテナタイプと外部アンテナタイプで電波の飛び方自体の優劣や根本的な使い方の差はありませんが、それぞれ特徴があります。

タイプ別Wi-Fiルーターのイメージ図

アンテナ内蔵タイプの特徴

アンテナ内蔵タイプのWi-Fiルーターは、外に余計な突起物がありませんので、特に小さなお子様やペットがいる家庭の場合、外部タイプと比べて安全といえます。また、突起物がない分コンパクトですので、置き場所の自由度も高くなります。

外部アンテナタイプの特徴

外部アンテナタイプのWi-Fiルーターは、アンテナがある分、場所をとりますが、アンテナの角度調整ができるというメリットがあります。アンテナの角度を調整することで、それぞれの住居環境にマッチした電波の向きでWi-Fi通信ができるのです。
例えば、2階建てや3階建ての一軒家では、アンテナを水平に倒して開くことにより、上下方向に強い電波環境を作ることができます。反対に、マンションや平屋づくりの場合は、アンテナを垂直方法に立てて開くことによって、横長の住居に適した水平方向の電波環境を作ることができます。

Wi-Fiルーターのアンテナの本数もチェックしよう

外部アンテナタイプの場合、装着されているアンテナの本数に差があることにお気付きの方もいるかもしれません。実は、アンテナ内蔵型のWi-Fiルーターであっても、アンテナ本数には差があります。

Wi-Fiには、11nや11ac、11adなど、同じWi-Fiでも何種類かの異なる規格があります。そのWi-Fiの規格の種類によって、利用するアンテナ数とデータの転送速度(理論値)が決まっています。同じ規格ではアンテナ数が多いほどデータ転送速度が速くなり、より快適に利用することができます。
ただし、Wi-Fiルーターとパソコンやスマホなどのアンテナ数が異なる場合は「アンテナ数が少ないほうの転送速度」に合わせる形で制限されますので、必要以上の本数のアンテナを備えたWi-Fiルーターを準備しても、無駄になる可能性があります。事前にWi-Fiルーターに接続したい機器のアンテナ数を確認しましょう。

Wi-Fiルーターを置く場所に注意

Wi-Fiルーターを設置する場所によっても、電波の強さや安定度が変わります。基本的に、電波はWi-Fiルーターを中心に全方向に広がります。そのため、部屋や建物の隅に置くと、電波の一部が壁に遮られたり、家の外に向いてしまったり、電波の一部しか使えなくなってしまいます。
ほかにも、湿気が多い場所や物の近くなどは水に電波が吸収されてしまいますし、家電製品の近くでは電波同士が干渉し合ってしまうことがあり、どちらも電波は弱くなります。

できる限り、部屋や建物の中心部、床から1~2mの高さに設置するのが理想です。もし電波が弱いと感じたら、置き場所を見直してみるといいでしょう。

中継機を使って離れたところまで電波を届ける方法もある

アンテナの向きやWi-Fiルーターの置き場所を調整しても、通信が途切れたり思うような速度が出なかったりした場合には、「中継機」の設置を検討してみてはいかがでしょうか。中継機とは、Wi-Fiルーターの電波をキャッチし、電波が届く範囲を広げてくれる機器です。電波の届きにくかった場所に設置することで、電波状況を改善することができます。中継機とはいっても使い方はいたって簡単。多くの機種は、通常のWi-Fi機器と同様にWi-Fiルーターと接続するだけで利用することができます。