ネットに同時に接続したい!LANの分岐・分配方法
今では、PCだけでなく、スマートフォンやタブレット、ゲーム機など、一人で複数のネット接続機器を所持していることも当たり前になりました。これらの機器を同時にインターネットに接続したいのに、モデムにLANポートが1つしかない場合は、どうすればいいのでしょうか?
その問題を解決するのが、LANの分岐・分配という方法です。有線LANと無線LAN、それぞれの方法についてご紹介します。
有線LANを利用する分岐・分配方法
LANケーブルを使って、ネットワークを複数に分岐・分配させるには、LANポートが1つしかないモデムを、LANポートを複数持つルーターにつなぎ、そのルーターに各機器を接続する方法が一般的です。
しかし、モデムがルーター機能を兼ねている機種では、この方法は有効ではありません。ルーター機能付きモデムをルーターに接続すると「二重ルーター」という状態になり、無駄な電力を消耗したり、ネット回線の通信速度が遅くなったり、いきなり切断されるといった不具合を引き起こす可能性があるからです。
「スイッチングハブ」でLANを分岐・分配させる
使っているモデムがルーター機能を持っている場合は、唯一のLANポートにLANケーブルをつなぎ、それを「ハブ(スイッチングハブ)」と呼ばれる分配器に接続しましょう。しかし、機器をたくさん接続して同時使用すると、回線は重くなってしまいます。
スイッチングハブには、動画配信などの大量データ送受信に対応できる「ギガビットハブ」や、ACアダプタ部分を本体に内蔵し、コンセント配線をスッキリさせる「電源内蔵タイプ」などがあります。
モデム兼ルーターをLAN機能に特化させる
ルーターを2台以上所有している場合、新たにスイッチングハブを購入しなくてもLANを分岐・分配させることが可能です。この場合、分岐用のルーターの「ルーター機能をOff」にすることで、先述の二重ルーター問題を回避することができます。
方法はとても簡単で、ルーターの本体にあるスイッチやソフトウェア上で「RTモード(ルーターモード)」から「APモード(アクセスポイントモード)」に切り替えるだけです。こうすることで、ルーターはスイッチングハブと同様の「LANを複数に分岐・分配させる機能」に特化されます。
無線LANを使った分岐方法
モデムをLANケーブルでWi-Fiルーターに接続して、無線を通じて複数の端末(子機)をネットワークに接続する方法もあります。
ただし、物理的なLANポートの代わりに電波を用いる無線LANでも、Wi-Fiルーターごとに接続できる端末の台数には上限が設定されています。この上限を超えて機器をつなぐと、通信速度が遅くなったり途切れたりしますので、同時接続台数は必ず守るようにしてください。
また、モデムから離れた場所や障害物で隔てられた部屋、階上や階下で無線LANにつなぐ場合も、Wi-Fiルーターの性能等によって、遅延や切断が起きてしまうことがあります。何回接続を試みても同じ問題が発生したときは、Wi-Fiルーターと機器を利用する場所の中間などに「無線LAN中継器」を設置して、電波が届く範囲を広げてみるといいでしょう。