Vol.12 無線LANルーターのSSIDとは?
エレコムWi-Fi製品購入ガイド無線LANの基礎知識

タブレット・iPadと無線LAN

スマートフォンに比べて大画面で高機能な端末が多いタブレット。iPadなどiOSに対応したもの、Android OSを採用したもの、Windows OSを採用したものなど種類もサイズも豊富です。しかし、タブレットは3GやLTEに対応していないものも多いため、無線LAN(Wi-Fi)環境がある場所でしか利用できないタブレットも多く存在します。
そこで、タブレットと無線LANの関係について、基本的な知識をまとめておきましょう。

モバイルPCとタブレットの違いについて

PCとタブレットの本質的な違いは、クラウドへの依存度にあるといえます。PCはスタンドアローン、つまりインターネット環境のない状況での利用も想定されていますが、これに対しタブレットは常にインターネットに接続した状況での利用が想定されています。
しかし、もともと携帯電話であるスマートフォンと異なり、タブレットの多くにはWi-Fi以外の通信機能が搭載されていません(Bluetooth®など周辺機器用のインターフェースは除く)。このため、タブレットの利用には事実上、無線LAN環境が必要不可欠といえます。

無線LANであることの重要性

タブレットは本来、LANケーブルに接続された状況での利用を想定していません。有線LAN端子を備えている機種の方が少数派といえるでしょう。
「持ったまま自由に移動できる」
「どんな姿勢でも利用できる」
この2点は、タブレットがLANケーブルから開放されたからこそ実現できたメリットであり、従来の情報機器との最大の差別化ではないでしょうか。従来、すでにオフィスやご自宅に有線LAN環境を構築している方でも、タブレットの利用をきっかけに無線LANルーターに切り替えた人が増えたようです。

テザリング機能の活用について

タブレットを常時利用する人は、オフィスや自宅に無線LAN環境を構築するだけでは不十分です。街中のカフェやファーストフード店ではフリースポット(公衆無線LAN)を提供しているところもありますが、まだそうした場所は限られています。

「いつでも、どこでもタブレットを利用したい」という方は、テザリング機能が付いたスマートフォンを選択なさっているかもしれません。テザリング機能とは3GやLTEで接続されたスマートフォンがWi-Fiの簡易基地局となり、無線LANで接続したタブレットをインターネットに接続してくれる機能です。専用の無線LANルーターほど高速でも安定しているわけでもありませんが、移動中などの一時的な利用に十分対応してくれるでしょう。
また、各携帯電話会社からはスマートフォンのテザリング機能に専門特化した、高速無線インターネット用Wi-Fiルーターも提供されています。

無線LANルーターの優位性

テザリング機能や、高速無線インターネットを利用したWi-Fiルーターは非常に便利ですが、無線通信ならでは起こる回線の不安定さ、そして他のスマートフォンとの競合などによる「パケ詰まり(データのダウンロード/アップロードが停滞する現象)」などの心配を避けて通ることはできません。

一般的な無線LANルーターは、オフィスや自宅まで有線でインターネット回線を配線し、ルーターと子機(タブレット)との間のみを無線でつなぎます。このため、機器の設置位置などを調整すれば、無線とはいえ有線に準じる高速通信が安定して行えます。一度に複数の機器を接続したり、大容量のデータを送受したり、あるいは動画を視聴したりというような用途なら、やはり無線LANルーターの方が信頼性も通信速度も優れていると考えられるでしょう。

旅行や出張の際にも確実にタブレットを利用したい方は、モバイルタイプの無線LANルーターも1台、旅先に持参されてはいかがでしょうか。