Vol.40 電子レンジのノイズで無線LANが遅くなるって本当!?
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電子レンジのノイズで
無線LANが遅くなるって本当!?

無線LANを利用していると、通信が途切れたり、遅くなったりといった症状が起こることはありませんか?心当たりがある方は、その原因はひょっとすると電子レンジかもしれません。巷でささやかれている「電子レンジのノイズが無線LANを遅くする」という噂は、はたして本当なのでしょうか?

無線LANと電子レンジの共通点が原因

「無線LANと電子レンジのどこに共通点があるの?」と疑問に思われる方も多いでしょう。確かに、何の関連もなさそうな両者ですが、実は大きな共通点を抱えています。その共通点とは、周波数です。

電子レンジは、電磁波を使用して食品の加熱・調理をする器具ですが、この電磁波は2.4GHz帯の周波数であり、無線LANも同じ周波数帯を使用します。電子レンジの電磁波は強力なため、使用中に本体から電磁波が漏れてしまいます。このため、両者を同時に使用すると、電子レンジから漏れた電磁波が無線LANにとってはノイズとなり、通信に支障をきたすことになるのです。

自宅でレンジを使用していないのに、同様の不具合が起こるという方は、近所の方がレンジを使用している可能性があります。隣家と密接した集合住宅であれば、近所の電子レンジの影響を受けることもあります。

電子レンジは影響を受ける? 受けない?

通信に不具合が起きるのも困りものですが、逆に無線LANの存在が食品の加熱や調理に支障が起こるかどうかも気になるところです。電子レンジはそもそも、2.4GHz帯の電磁波を発生させる機械であり、受信するものではありません。干渉による影響は電波を受信する際に起こるため、レンジや食品に無線LAN通信による影響が及ぶことはありません。また、レンジの電磁波出力と比較するとの方が無線LANの電波は出力が非常に小さいため、レンジに異常が発生することはないといえます。

ノイズの干渉を避ける方法

原因は分かったものの、インターネットで動画を楽しんだり、データをダウンロードしたりしている際に、家族の誰かがレンジを使用してしまうことはあるでしょう。いちいち家族に通信の利用を報告するのも手間がかかりますし、プライベートを保ちたい方には抵抗があるかもしれません。

チャンネルを変更する方法

無線LANで使用しているチャンネルを変えることで、干渉を避けられる場合もあります。2.4GHzは一般的に13チャンネルのいずれかを使用するようになっているので、チャンネルを現在試用しているチャンネルから変更してみましょう。チャンネルには少しずつ重なる部分あるので、完全に離すためには1、6、11といった間隔で使用するのがベターです。したがって、電波干渉のないチャンネル設定をするためには、チャンネル設定は3つまでとなります。周波数帯を変更する

2.4GHz帯は電子レンジを始めさまざまな電気製品で使用されており、非常に混み合った帯域です。ノイズの干渉をしっかりと避けるには、周波数帯を変える方が効果的です。電波帯域を無線LAN以外で使用されることが少ない5GHzに変更すると、安定した通信ができるようになります。5GHzは、合計19チャンネルもあるうえ、すべてが独立しています。2.4GHzが実質3つのチャンネルしか使用できなかったことと比べて、5GHzでは6倍以上もの量を使用でき、余裕があります。

無線LANの最新規格であるIEEE802.11acは、この5GHz帯を使用する規格となっています。2.4GHz帯のノイズに悩まされている場合には、これを機会に802.11ac規格に親機・子機ともに置き換えてしまうのも一つの方法です。

問題解決でスムーズな通信に

これまで原因不明の不具合に悩まされていた方も、チャンネルや周波数を変更して干渉を避けることで、問題が解決するかもしれません。通信のノイズはストレスが溜まるので、いずれかの方法で対処してスムーズな通信を実現しましょう。