Wi-Fiルーターには寿命があるの?買い換えるべきタイミングとは
無線LANルーターはなかなか故障することがないため、おかしくなるまで使い続けようと考える方が多いかもしれません。しかし、Wi-Fiの性能は日々進歩しており、より通信速度が速くて便利な規格が登場しています。最新のWi-Fi規格に対応したWi-Fiルーターに買い換えることで、インターネットを快適に使えるようになります。
速度に不満を感じたときは無線LANルーターの買換え時かも
自宅をWi-Fi環境にすると、その環境が当たり前となってしまい無線LANルーターのことは気にしなくなってしまうと思います。しかし、無線LANルーターは購入したときのWi-Fi規格にしか対応していないので、年数を経てくると、最新の規格に対応した製品と比較してスピードで見劣りするようになるのです。
例えば、「インターネット回線をギガバイト対応の高速なプランに変更したけれども、Wi-Fiの接続スピードが変わらない」と感じた場合は、無線LANルーターの買換え時です。いくらインターネット回線を速いものに変えても、無線LANルーターがそのスピードに対応していなければWi-Fiは速くなりません。無線LANルーターが古い物だと注意が必要です。
また、Wi-Fi導入後、Wi-Fiに接続する機器が増えていくと、それに伴って通信速度も遅くなってきます。というのも、使っている無線LANルーターのWi-Fi規格やアンテナの数によって転送速度に上限があり、接続している機器のあいだでWi-Fi通信が分配されるからです。
最初、Wi-Fiに接続していたのはパソコンやスマートフォン程度だったのが、タブレットやゲーム機、テレビなどもWi-Fiに接続するようになり、しかも同時に複数台接続しているとWi-Fiのスピードが遅くなるのです。このような現象が生じる場合も、無線LANルーターの買換え時だといえます。
そのほか、スマートフォンやタブレットを買い換えたときも、無線LANルーターの買換え時だといえます。最新機種であれば最新のWi-Fi規格に対応しています。しかし、無線LANルーターがそのWi-Fi規格に対応していないと本来の性能は発揮できません。スマートフォンやタブレットで、より快適にインターネットを使うためには、無線LANルーターを買い換えるのが手っ取り早い方法だといえます。
なお、無線LANルーターが機械的な寿命を迎えそうな場合も買換え時です。「以前よりもWi-Fiの通信速度が落ちてきた」「Wi-Fiにつながらないことがある」というような現象があれば、無線LANルーターの買換えを検討しましょう。
Wi-Fi規格の種類
現在、一般的な無線LANルーターで使われているWi-Fiの規格は5タイプあります。その規格は古いものから順に以下のようになっています。
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<無線LANルーターで使われているWi-Fiの規格>
- ・IEEE802.11b(最大通信速度11Mbps)
- ・IEEE802.11a(最大通信速度54Mbps)
- ・IEEE802.11g(最大通信速度54Mbps)
- ・IEEE802.11n(最大通信速度600Mbps)
- ・IEEE802.11ac(最大通信速度6.9Gbps)
このように、新しくなるほど通信速度は上がってきます。そのため、新しいWi-Fi規格を選んだほうがいいのは言うまでもありません。
IEEE802.11nが策定されたのは2009年、IEEE802.11acが策定されたのは2014年ですから、古い時期に購入した無線LANルーターは、それよりも新しいWi-Fiの規格には対応していません。また、一般的に高価格帯の製品から最新の規格に対応していきますので、新しく購入した無線LANルーターでも安価な物は、最新のWi-Fi規格に対応していない可能性もあります。
無線LANルーターのアンテナ本数もWi-Fiのスピードに関係してきます。最大通信速度はあくまで理論値ですから、実際にはそれよりも遅い通信速度になります。例えば、現在最速のWi-Fi規格でも、アンテナが1本の無線LANルーターであれば最大通信速度は433Mbpsまでとなります。しかし、アンテナが4本になれば、最大通信速度は1.733Gbps(1733Mbps)にもなります。
Wi-Fi電波の暗号化
Wi-Fiの電波は、障害物がなければ100m程度なら届いてしまいます。そのため、自宅に置いた無線LANルーターの電波が近隣にも届いており、そのままでは勝手にWi-Fiを利用されたり、通信内容を盗み見られたりする可能性があります。
そこで、無線LANルーター側でWi-Fiの電波を暗号化する必要があります。無線LANルーターを買い換えるなら、こういったセキュリティ面にも気を付けましょう。Wi-Fi電波の暗号化には以下のような方式があります。
- <Wi-Fi電波の暗号化の種類>
- ・WEP
- ・TKIP
- ・AES
Wi-Fiが登場してすぐつくられたのがWEPです。ただし、この方式では暗号が解読されてしまう危険性がありますので、セキュリティ的には脆弱です。
WEPを改善して作られたのがTKIP方式です。WEPよりは安全性が高まっていますが、すでにこの方式の暗号も、解読される危険性が出ています。
そして現在、最も新しい暗号化方式はAESです。この方式によって暗号化されたデータを解読することは、非常に困難だといわれています。
機器を無線LANルーターに接続する際には、暗号化を設定する必要があります。最新の無線LANルーターはこれらの3つの方式とも対応していますので、AESに設定するようにしましょう。
Wi-Fiが速くなることのメリット
古い無線LANルーターを使っているとしても、「特に問題がなければお金を出してまで無線LANルーターを交換する必要はない」と考える人がいるかもしれません。しかし、無線LANルーターを新しくして、Wi-Fiのスピードが速くなることで、さまざまなメリットが生まれます。
・家族が同時にWi-Fiを使っても快適に
家族のみんなが同時にWi-Fiへ接続した場合、Wi-Fiの通信を分け合うことになり、1台あたりのWi-Fiスピードも落ちてしまいます。例えば、リビングでWi-Fiに接続したテレビ、書斎でパソコン、自分の部屋でスマートフォンを使っているような場合には、それぞれ満足いくスピードが出ないかもしれません。しかし、無線LANルーターをより速いタイプの製品に変更すれば、そんな悩みを解消できます。
・大容量のアプリも瞬時にダウンロード
ゲームアプリやソフト、動画など、サイズが大きいファイルでも、速い規格のWi-Fiに変えることで、あっという間にダウンロードできるようになります。
・配信動画を快適に楽しめる
最近のインターネット動画は高画質になってきており、それとともにファイル容量も大きくなっています。このような動画を再生するとき、Wi-Fiのスピードが遅いと、動画が途中で止まってしまったり、自動的に低画質の動画に変わったりすることがあります。Wi-Fiのスピードを速くすることで、そんなイライラを解消することができます。