インターネット接続の選び方【2017年最新版】
買い物や映画視聴、友人との交流、クリエイティブな作業など、さまざまなことが指先ひとつで実現できるようになった今、私たちの生活はインターネットと切っても切り離せません。だからこそ、家庭内でストレスなくインターネット接続ができるかどうかが、日々の生活の快適さを左右することになります。
「とりあえず、つなげれば何でもいい」という意識になりがちですが、ルーターや通信回線の選び方に少し気を配るだけで、通信障害など面倒なことから解放され、快適性がグッと増します。今回は、インターネット接続の選び方について、基本的な知識から最新情報までご紹介します。
インターネット接続の最新トレンド
まずは、インターネット接続の基本的なことを確認しておきましょう。インターネット環境を自宅に構築するには、回線を以下のようにつないでいくことになります。
プロバイダー
プロバイダーとは、インターネットへの接続サービスを提供する事業者のことです。多くの企業がサービス提供開始から20年ほど経過しており、どの企業を選んでも品質的には大差はありません。インターネットに関連する付随サービスも行っていますので、それらを比較・検討して条件の良いプロバイダーを選択するといいでしょう。
通信回線
次に、プロバイダーから各家庭をつなげる通信回線についてです。インターネットが民間に普及し始めてきた1990年代には、従来の電話で使ってきたアナログ電話回線でつなぐよりも、デジタル回線であるISDN(Integrated Services Digital Network)のほうが通信速度に優位性があるとされ、契約件数が急増しました。
しかし、アナログ回線を通してデジタル情報を送信したほうが、通信速度が速くなることがわかり、アナログ回線に戻す動きが加速しました。この回線がADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)といわれるもので、電話回線の高周波数帯域を利用して高速化を実現しました。
さらに、電気信号よりも光信号を送ったほうがインターネットの通信速度を向上できることがわかり、現在ではネット接続の専用回線として、「光ファイバー」(FTTH:Fiber To The Home)を利用した光回線がトレンドとなっています。また、ネット回線で通話ができる「IP電話」が普及したことにより、アナログ回線はその役目を終えつつあります。
光回線の種類としては、以下のようなものがあります。
- ・フレッツ光(NTT東日本・NTT西日本)
- ・auひかり(KDDI)
- ・CATV(ケーブルテレビ)が提供する光回線(有線放送の回線をインターネットサービスに応用している)
- ・電力系会社が提供する光回線
- ・光 コラボレーション(NTTドコモやSo-net、@nifty、OCNなどのインターネットプロバイダーが、フレッツ光の回線を借り受けて提供するインターネット接続サービス)
屋内回線
各家庭のモデムやルーターから、屋内回線でパソコンやスマホなどの端末につなげます。屋内回線は、LANケーブルでつなぐ「有線LAN」と、デジタル情報を電波にのせる「Wi-Fi(無線LAN)」の2つに分かれます。
有線タイプと無線タイプには、それぞれメリットとデメリットがあります。通信の速度や安定性については、モデムと端末を直接LANケーブルでつなげる有線タイプのほうが優れています。しかし、有線タイプには、LANポートのある端末にしかつなげないという弱点もありますし、家族みんなで使う場合は、ケーブルの調達や設置が面倒です。
スマホやタブレットであれば、LANケーブルで物理的につなげることはせず、Wi-Fi(無線LAN)を経由してつなげることになります(もちろん、PCも無線でつなぐことが可能です)。
Wi-Fiルーターのトレンド
Wi-Fi(無線LAN)を使うときは、情報をのせた電波を送受信するためのWi-Fiルーター(無線LAN親機)を用意する必要があります。PCをはじめとするWi-Fi(無線LAN)対応機器は、このWi-Fiルーターがなければインターネットに接続することができません。
Wi-Fiルーターには据え置き型と持ち運べるタイプがあり、据え置き型のWi-Fiルーターには、アンテナが本体の外に出ているタイプと内蔵されているタイプがあります。かつてはアンテナを立てて電波を送受信しているWi-Fiルーターが主流でしたが、現在はほとんどの環境で安定した通信を行えることから、アンテナ内蔵型が主流になっています。
Wi-Fi(無線LAN)の規格
Wi-Fiルーターが飛ばす電波の品質には、国際規格が定められています。これは、アメリカに本部を持つIEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)という電気・電子技術の学会で決まったものです。
Wi-Fiルーターの規格にはさまざまなタイプがありますが、主流は「IEEE 802.11n」と「IEEE 802.11ac」です。
・IEEE 802.11n
IEEE 802.11nは、最大通信速度が600Mbpsで、LANケーブルに匹敵する快適な通信が十分に可能です。11nは、電波の通信時に2.4GHzと5GHzの2種類の周波数帯を利用します。
このうち2.4GHzの周波数帯は、分厚いコンクリートの壁などの障害物を通り抜けやすい電波であり、Wi-Fiルーターを設置した部屋から離れた場所でも利用しやすいというメリットがあります。しかし、電子レンジやBluetoothなどが発する電波、ノイズの影響を受けて通信が不安定になりやすいというデメリットもあります。
一方、5GHzの周波数帯は、高速通信が可能で家庭内のほかの機器からの電波干渉を受けにくいというメリットがありますが、壁や床などの障害物に弱いという特徴があります。
・IEEE 802.11ac
IEEE 802.11acは、ほかの機器からの干渉を受けにくい電波で、しかも通信速度が最大1.73Gbps(1,733Mbps)にもなり、11nに取って代わる存在になりつつあります。動画やゲームもサクサク動きますので、これからは、11acの規格が主流になっていくことは間違いありません。
安定して高速な通信環境を実現したいときは、11ac対応のWi-Fiルーターを選択するようにしましょう。
IoT時代を見据えたエレコムのWi-Fiルーター「WRC-2533GST」
エレコムのWi-Fiルーター「WRC-2533GST」は、IEEE 802.11ac対応で1.73Gbpsの通信速度を誇り、家庭内のかなり広いエリアをカバーします。目安としては、4LDKのマンションに対して1台あれば十分です。また、一戸建てでも1階に置いておけば3階までしっかり届きます。
接続機器の台数は、PC、スマホ、タブレットから、ポータブルゲーム機、テレビモニターまで、最大18台まで、1台のWi-Fiルーターでまかなうことができます。また、Wi-Fiルーター自体にセキュリティソフトが内蔵されていますので、仮にセキュリティ対策がされていない端末があったとしても、ハッカーからの攻撃や情報漏洩などの心配を大幅に減らすことができます。
また、CD-ROMの読込みやアプリのダウンロードなど、面倒な初期操作が不要で、すぐにWi-Fi(無線LAN)通信が使えるようになる「かんたんセットアップ3」機能も搭載しています。
「18台に接続できるというのは、家庭用にしては多すぎるのではないか?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、これからは、家電などさまざまな物がインターネットにつながるIoT(モノのインターネット)の時代が確実にやってきます。「WRC-2533GST」は、家庭用Wi-Fiルーターとしてはやや高めの価格帯に属する商品ですが、5年、10年先を見据えた上で、このようなハイエンドモデルに投資するのは賢い選択といえるでしょう。
安価で快適な環境を実現する「WRC-1167GHBK2-S」と「WRC-1168FS-B」
「WRC-1167GHBK2-S」は、IEEE 802.11ac対応で最大通信速度は867Mbp。電波が届く範囲も、マンションの場合は3LDK、一戸建てなら2階の部屋までしっかりカバーします。
2本の独立したアンテナを内蔵したことで安定した通信環境を実現させたほか、デュアルコアCPUの搭載で5GHz帯と2.4GHz帯の処理を分散して高速な通信を行いつつ、複数台の機器が接続されても同時に処理する「MU-MIMO」機能も搭載。子供はゲーム、大人はスマホというように、同時に接続しても通信速度が遅くなる心配はありません。