Wi-Fi(無線LAN)の速度を高速化する方法
Wi-Fi(無線LAN)の通信速度が遅いと、サイトの読み込みに時間がかかったり、動画が途中で止まったりすることがあります。思いどおりに作業や閲覧ができないのは、ストレスですよね。
このページでは、Wi-Fi(無線LAN)の通信速度を高速化する方法についてご紹介します。
なぜ通信速度が遅くなるのか?
Wi-Fi(無線LAN)は電波を使って通信を行います。いくら高性能のWi-Fiルーターを使用しても、電波が弱まりやすい環境に置けば、通信速度は低下してしまいます。Wi-Fiルーターの電波が弱まりやすい環境としては、次のようなものが挙げられます。
別の電波を飛ばすものが周囲にある
Wi-Fi(無線LAN)は、「マイクロ波」という電波を用いて通信を行っています。家の中には、ほかにもマイクロ波を利用する家電があり、それらと電波干渉をし合うことで、Wi-Fi(無線LAN)の通信速度が遅くなってしまうことがあります。
Wi-Fi(無線LAN)の電波と干渉し合う代表的な家電には、電子レンジやIHクッキングヒーター、ワイヤレス電話などがあります。また、近隣のWi-Fi(無線LAN)の電波と干渉し合って、電波が不安定になる場合もあるでしょう。
障害物が周囲にある
Wi-Fiルーターとパソコン・スマホなどのあいだに分厚い壁があると、電波が弱まり、通信が遅くなったり途切れてしまったりする原因になります。リビングにWi-Fiルーターを設置し、別の部屋で端末を使おうとすると、電波が届きづらくなります。特に、コンクリートや金属が混じっている壁だと、電波が通り抜けづらいでしょう。また、Wi-Fiルーターを収める収納家具は、材質により電波の透過を妨げてしまう場合もあるので注意が必要です。
Wi-Fiルーターと端末の距離が離れすぎている
電波は光と同じように、遠くへ行くほど弱まります。Wi-Fiルーターを室内で使うのであれば、電波を受け取るパソコンやスマホは、半径10m以内の位置にあるようにしたいものです。
床の上に置いている
Wi-Fiルーターを床の上に置くと、電波が乱反射して、電波が強いところと電波がまったく届かないところなど、ムラが出やすくなります。少なくとも床から1m以上の高さの場所に置くようにしましょう。
水回りに置いている
見過ごされがちな原因ですが、Wi-Fi(無線LAN)の電波には、水中を通ると衰える性質があります。つまり、Wi-Fiルーターを台所や洗面所の近くに置いていると、速度低下の原因になってしまいます。また、水槽や花瓶などの横にWi-Fiルーターを置くことで、電波が弱まってしまうこともあります。
Wi-Fiルーターの処理能力の限界を超えている
Wi-Fiルーターの接続可能台数を超える端末(子機)をつなげていたり、一部の端末が動画視聴など大量のデータ通信を続けていたりする場合は、Wi-Fiルーターによる情報処理が追いつかなくなり、Wi-Fi(無線LAN)のスピードが低下する原因になります。
また、Wi-Fiルーターには、「DHCP」(Dynamic Host Configuration Protocol)という、Wi-Fi(無線LAN)につながっている各端末を識別する符号である「IPアドレス」を自動的に割り当てる機能がついています。ネットワークに新たなパソコンやスマホが加わったり、ネットワークから抜けたりすると、Wi-Fiルーターが自動的に判断し、固有のIPアドレスの付与や削除を行います。DHCPがうまく機能していないと、やはり通信障害が起きてしまうのです。
使用する周波数帯によって電波の伝わりやすさが変わる
Wi-Fi(無線LAN)電波の国際規格に「IEEE 802」があり、現在普及している規格としては、「IEEE 802.11n」と「IEEE 802.11ac」の2つが主流です。IEEE 802.11nは2.4GHz帯と5GHz帯、IEEE 802.11acは5GHz帯という周波数帯を利用することができます。
2.4GHz帯は、Wi-Fi(無線LAN)以外にも、電子レンジやIHクッキングヒーターなど、電波を発する他の機器で使用されています。Wi-Fi(無線LAN)の電波とこれらの機器が発する電波とがぶつかり合い、干渉し合うことで、電波が弱まりやすくなります。しかし、2.4GHzは障害物を通り抜けやすいというメリットがあり、部屋数の多い家では有利に働くでしょう。
5GHzの電波を使用する機器は、現在のところWi-Fi(無線LAN)以外にありません。よって、周囲の電波の影響を受けづらい点がメリットです。ただし、電波が壁などの障害物にぶつかると、減衰しやすいという弱点があります。
通信速度が遅いのは、本当にWi-Fi(無線LAN)のせい?
通信スピードが低下するのは、Wi-Fi(無線LAN)だけが原因とは限りません。回線が一時的にトラブルになっているのかもしれませんし、メモリ不足などでPCやスマホの端末の処理速度が下がっている可能性もあります。
Wi-Fi(無線LAN)から、LANケーブル接続に切り替えても、なお通信スピードが改善されない場合は、Wi-Fiルーター以外に原因が潜んでいるはずです。
Wi-Fi(無線LAN)を高速化するには?
Wi-Fi(無線LAN)を高速化するためには、まず、Wi-Fiルーターの配置を見直すことが大切です。Wi-Fiルーターと端末のあいだにコンクリートの壁や台所などの水回りがあると、電波が弱くなってしまいます。家の間取りや設備の関係で、Wi-Fiルーターを良い場所に置くことができない場合は、中継器の活用も検討してみましょう。また、Wi-Fiルーターを床に直接置いている方は、床から1~2mの高い位置に置くだけでも、電波の届く距離が変わりますので、試してみてください。
電波が速度低下の原因でなければ、Wi-Fiルーターの処理性能がネットの使用状況に追いつかず、限界を超えているのかもしれません。その場合は、Wi-Fiルーターにつないでいる端末の数を減らしたり、より多くの端末接続に対応したWi-Fiルータと入れ替えることで、通信速度が向上する可能性があります。また、旧式のWi-Fiルーターを長年使用している場合は、IEEE 802.11ac対応のWi-Fiルーターに変更することをご検討ください。