モデムとモバイルルーターの機能と役割

モデムの機能と役割

モデムは、通信回線から送られてくるアナログ信号を、パソコンやスマホでも受け取れるデジタル信号に変換するための機器です。また、利用者がパソコンやスマホから送ったデジタル信号を、電話回線にのせられるアナログ信号に変換する役割もあります。

モデムの有線LANポートにLANケーブルを挿し、パソコンとつなげてインターネットに接続することもできますが、ほとんどの場合、モデムだけでは１台の端末にしかつなぐことができません。２つ以上の端末をインターネットに接続させるためには、ルーターが必要になります。最近では、Wi-Fiルーターの機能を兼ね備えているモデムもあります。

Wi-Fiルーターとは？

Wi-Fiルーターは、モデムと端末とをつなぐ役割を果たす機器です。モデムと端末とのあいだにWi-Fiルーターを設置することで、スマホやタブレットなど、Wi-Fiに対応したさまざまな端末でネットワークに接続できるようになります。

Wi-Fiルーターには、「RTモード（ルーターモード）」と「APモード（アクセスポイントモード）」の2つのモードがあります。Wi-Fiルーターを兼ねているタイプのモデムを使用している場合は、ルーターをAPモードに切り替えることで、中継器として使用することができます。

もちろん、Wi-Fiルーターを使わなくても、スマホでインターネットを楽しむことはできます。しかし、それは契約している携帯電話会社が提供するパケット通信を介したもので、プランによりますが、高速通信ができるデータ量には上限があります。しかし、Wi-Fi（無線LAN）を介してインターネットに接続すれば、ネット動画を高画質で視聴し続けたり、サイズの大きなアプリや電子書籍をダウンロードしたりしてもパケット量が減らないため、スマホのデータ使用量を抑えることができます。

ネットのセキュリティが気になる方には、Wi-Fiルーターにセキュリティソフトが内蔵されている機種をおすすめします。すでにパソコンやスマホにセキュリティソフトが入っていても、２重のブロックが効いて、ハッカーによる不正な攻撃や情報漏洩などを防ぐことができます。また、近隣にいる人がWi-Fi（無線LAN）を不正利用する「ただ乗り行為」も排除してくれます。さらに、子供のネットの使いすぎを防ぐため、ネットに接続できる時間帯を制限する機能を搭載している製品もあります。

モバイルルーターの機能と役割

モバイルルーターは、別途回線業者との契約が必要になりますが、外出先や旅行先にも持ち運びできるポケットサイズのルーターです。モデムの役割も兼ねており、内蔵のアンテナで電波を飛ばして通信を行います。モバイルルーターは、携帯電話に使用される無線電波をキャッチして、Wi-Fiの電波に変換します。この変換された電波を、パソコンやスマホなどの端末に送ることで、インターネットへの接続を可能にしているのです。

モバイルルーターのメリットは、時間や場所を選ばずにWi-Fiによる通信ができることです。また、街中のフリーWi-Fiを探す時間や手間も省くことができます。外出先でパソコンをモバイルルーターにつないで仕事をしたりインターネットを楽しんだりするほか、スマホをつなげてパケットを節約することもできます。

室内でも「モバイルルーター派」が増えている

最近では、モバイルルーターを家で使う人も増えています。コンパクトなため場所を取らず、据え置き型のWi-Fiルーターよりも手軽にインターネットを利用できるメリットがあります。

また、家を引っ越したときは、新たにインターネット回線を契約するのに時間がかかりますが、モバイルルーターを利用すれば、契約の完了を待つことなく、引越し初日からインターネットを使うことができるでしょう。ただし、モバイルルーターはWi-Fiルーターに比べて電波が届かない場所が広かったり、たとえ通信できても速度が遅かったりすることがあります。

モバイルルーターにはいくつかの種類があり、「通信速度が速い」「使える通信量が無制限」など、製品によって特徴もさまざまです。自分の仕事やライフスタイルに合わせてモバイルルーターを選びましょう。