Vol.84 Wi-Fi(無線LAN)対応機器を簡単につなげるWPSとは?
エレコムWi-Fi製品購入ガイド無線LANの基礎知識

Wi-Fi(無線LAN)対応機器を簡単につなげるWPSとは?

Wi-Fi(無線LAN)対応機器を簡単につなげるWPSとは?

Wi-FiルーターなどのWi-Fi(無線LAN)対応機器を購入した後に、手間となるのが接続設定です。Wi-Fiルーター側(親機)が持つSSIDとパスワードを、スマートフォンやゲーム機側(子機)で入力しないと接続できません。ですが、「WPS」対応の機器であれば、端末同士が直接データをやりとりして、簡単に接続することができます。
ここでは、WPSの仕組みや、実際の使い方などについてご紹介します。

WPSはWi-Fi(無線LAN)対応端末を簡単に接続する規格

WPSはWi-Fi(無線LAN)対応端末を簡単に接続する規格

WPS(Wi-Fi Protected Setup)とは、Wi-FiルーターとWi-Fi(無線LAN)対応端末(ノートPC、携帯ゲーム機など)を、ボタンひとつで簡単に接続できる仕組み(規格)です。
通常、Wi-Fi(無線LAN)の親機と子機を接続する場合、親機に設定されている名前(SSID)やパスワードを調べ、子機側に入力して接続設定する必要があります。しかし、親機と子機が両方WPS機能に対応していれば、WPS対応のボタンを押すだけで、自動的に接続設定が完了します。

WPSの使い方

WPSの使い方

WPSの利用方法は、「接続したい機器同士のWPSボタンをほぼ同時に押す」だけです。Wi-Fiルーターの場合は、「WPS」と記された物理的なボタンやスイッチ類が端末の本体上にあることが多いので探してみましょう。

Windows 10を搭載したPCの場合は、デスクトップ右下の「ネットワーク」アイコンからSSID一覧を表示させ、Wi-Fi(無線LAN)の親機を選びます。このとき、WPSに対応していれば、「ルーターのボタンを押して接続することもできます」と表示されますので、1分以内を目安にWPSボタンを押してください。
時間切れの場合は、接続失敗となります。誰かにボタンを押す作業を手伝ってもらうか、機器同士を近づけるなどして再トライしてみましょう。

子機がスマートフォンの場合は、本体にWPSボタンはありませんので、スマートフォンを操作して、画面上に表示させた「WPSプッシュボタン」をタップします。ただし、WPSはAndroid 8までしか対応しておらず、Android 9以降は対応していません。また、iPhoneは、すべてのOSで未対応となっています(2020年5月現在)。

また、WPSは最新のWi-Fiセキュリティプロトコルである「WPA3」に対応しておりません。WPA3を利用したい場合は、パスワードを手入力して接続してください。

WPSでWi-Fi(無線LAN)がつながらないときは?

WPSでWi-Fi(無線LAN)がつながらないときは?

まず、親機と子機を再起動し、それぞれの状態を確認します。コンセントが抜けていないか、親機と子機のあいだに障害物がないか、機内モードがオンになっていないかなどをしっかり確認しましょう。
また、親機の「ステルス機能」(子機の接続先候補一覧にSSIDを表示させないようにする機能)がオンになっていないかも要チェックです。どうしても原因がわからない場合は、親機を初期化し、WPSボタンを使って子機をひとつずつ再接続しましょう。

なお、Wi-Fi(無線LAN)の電波が届いているのにもかかわらず、どうしてもWPSでうまく接続できない場合は、SSIDとパスワードを手入力するしかありません。手入力する場合で一番手間なのは、Wi-Fiルーターの本体に記載されたSSIDとパスワードを見ながら子機に入力することです。携帯ゲーム機などのように持ち歩ければ別ですが、親機と子機が離れている場合は、一度メモをしたり、写真を撮ったりする必要が出てくるでしょう。
エレコムのWi-Fiルーター「WRC-2533GST2」のように、「暗号化キーラベル」(SSIDとパスワードが記載されているラベル)が本体から取り外して持ち運べるモデルの場合は、このような手間はいりません。

WPS対応Wi-Fiルーターの選び方

WPS対応Wi-Fiルーターの選び方

WPSが便利なことがわかったところで、実際にWPS対応Wi-Fiルーターを購入する場合、どのように選べばいいのかご紹介します。

Wi-Fiルーターは、PCやスマートフォンなどのWi-Fi(無線LAN)対応機器を、インターネットにワイヤレスで接続するための機器です。WPS対応のWi-Fiルーターは、例えばエレコム製品の場合は「かんたんセットアップ」など、WPSとは違った名称で商品パッケージに記載されていることもあります。
名称によってはWPSのことかわからない場合もあるため、しっかり確認してから購入しましょう。併せて、接続したい子機のOSなどが対応しているかも確認してください。

エレコムのWi-Fiルーターの中では、子機を複数台接続しても安定した通信環境が維持できる「WRC-2533GST2」がおすすめです。例えば、PCやPC周辺機器だけでなく、スマートフォンや携帯ゲーム機、4Kテレビなど、多数の機器を接続したい人に向いています。また、トレンドマイクロ社のセキュリティ機能も搭載しておりますので、安心してご利用いただけます。

WPSを搭載したWi-Fiルーターで簡単接続を

WPSを搭載したWi-Fiルーターで簡単接続を

WPSは、Wi-Fi(無線LAN)の親機側と子機側のWPSボタンを同時に押すことで、誰でも簡単に接続設定を完了できる便利な仕様です。WPS対応のWi-Fiルーターをお持ちでない人は、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
Wi-Fiルーターに、より安全なネットワークセキュリティを望むのであれば、ご紹介した「WRC-2533GST2」のような、トレンドマイクロ社のセキュリティ機能も搭載したWi-Fiルーターをお選びください。