Vol.4 Wi-Fiルーターの海外利用について
エレコムWi-Fi製品購入ガイド無線LANの基礎知識

Wi-Fiルーターの海外利用について

海外旅行や海外出張の際、ホテルなどでWi-Fiルーター無線LANが使用できたら便利ですね。空港などで渡航先の国で使用できる「Wi-Fifiルーターレンタルサービス」などの看板を見かけることもありますが、すでに日本でWi-Fiルーターを使用している人は、自前のルーターを海外でも使用することができるのでしょうか。
また、ネットショッピングなどで海外製のWi-Fiルーターを購入した場合、これらの機器は日本でも使用できるのでしょうか。
こうした「Wi-Fiルーターと海外」に関する知識を簡単に紹介します。

Wi-Fiは国際規格

Wi-Fiとは、「Wi-Fi Alliance」という無線LAN製品の普及促進を目的とした業界団体が定めた規格です。
Wi-Fi AllianceはWi-Fi規格に適合した機器の相互運用性を保証しており、Wi-Fiロゴの表示されたに対応した機器同士であれば、異なるメーカー間の製品でも接続は可能です。
Wi-Fi Allianceには全世界から多くの家電・通信・ゲーム業界関連企業が参加しており、その中には多くの日本企業も含まれています。
このため、技術的には国・メーカーを問わず、Wi-Fi規格に適合しているすべての製品は接続が可能だといえるでしょう。

日本の電波法について

ただし、上記で説明したのはあくまでも「技術的には可能」という話であって、実際に海外製の無線ルーターを日本で使用できるかどうかは別の問題です。

まず日本の場合ですが、電波を発する無線機器はすべて日本の電波法という法律が適用されます。では、電波を発する無線機器のすべては総務省の「技術基準適合証明」を受けなくてはならないことになっています。このルール電波法は家庭用無線LAN機器にも適用され、法に則った電波を発信している機器であるという証明を受けた証拠である「技適マーク」が表示されていない機器を使用した場合には電波法違反となる可能性があります。
ですから、「海外製のWi-Fiルーターが日本で使用できるかどうか」は、Wi-Fiの規格ではなく、技適マークの有無の問題といえるでしょう。

日本製ルーターの海外での使用について

日本の電波法に該当する法律は海外諸国にもあります。法律の内容は国によってさまざまですが、ほとんどの国では無線機器による通信で使用できる周波数帯や通信方法が定められ、また無線機器の登録が義務付けられていることもあります。
日本から海外にWi-Fiルーターを持参する場合、事前に渡航先の国の法律を調べておく必要があるでしょう。ルーターの使用だけでなく海外製ルーターの持ち込み自体を禁じている国もあり、手荷物検査などで発見された場合にトラブルに発展する可能性があります。

ちなみに、エレコムの製品におついては、日本国内での使用のみが保証されています。
「製品Q&A」のページ で同上の説明をしており、「海外でのご利用は想定しておりませんので、ご注意ください」という結論になっています。ご注意ください。

海外で無線ルーターを利用したい場合

インターネットや無線LANの普及状況は国によってまちまちですが、ほとんどの先進国の空港や主要ホテルのロビー、公共施設などでは有料/無料のWi-Fiスポットサービスが提供されています。Wi-Fiスポットが利用できる場所、利用条件などは渡航先ごとに事前に調べておいた方が良いでしょう。

なお、日本のホテルと同様、客室にインターネットのLANケーブルが配線されているホテルもありますが、このような環境でも日本製の無線ルーターの使用は法律違反になる可能性があります。そのため、その国でルーターを購入あるいはレンタルすることをお勧めします。

海外でのインターネット使用の注意点

渡航先の国によっては、動画サービスサイトやSNSサイトへのアクセスが制限されている場合があります。
アクセスしようとしただけで犯罪になることはないにせよ、普段使用しているサービスが渡航先の国からでもアクセス可能かどうかは事前にチェックしておきましょう。
また、特定のサイトやサービスへの書き込み内容が検閲される可能性のある国もあります。こうしたインターネット事情についても事前にチェックしておいたほうが安全といえます。