Wi-Fi(無線LAN)がつながらない!その原因と対策
パソコンを使っていて、急に「Wi-Fi(無線LAN)がつながらない!」と困ったことはありませんか?Wi-Fi(無線LAN)の通信速度が急に遅くなったり途切れたりする場合は、いくつかの理由が考えられます。
このページでは、Wi-Fi(無線LAN)がつながらなくなる原因と、その対策方法についてご紹介します。
原因1 電波干渉
電波干渉とは、複数の電波の波長がお互いに重なり合うことで、強め合ったり打ち消し合ったりする現象のことをいいます。
Wi-Fi(無線LAN)の電波は、2.4GHz帯と5GHz帯の2つの周波数帯を使用しています。このうち、電波干渉によって特に弱まる可能性があるのは、2.4GHz帯の電波です。なぜなら、電子レンジやBluetooth機器、IHクッキングヒーターなどの家電も2.4GHz帯の電波を使っているからです。Wi-Fiルーターの近くや、Wi-Fiルーターと端末とのあいだに、2.4GHz帯の電波を使用する機器があるときは、通信速度が遅くなったり、不安定になったり、接続が途切れがちになったりする可能性があります。
また、マンションの隣の部屋でもWi-Fiルーターを使っている場合や、家の近くにアクセスポイントがある場合は、電波が相互干渉し合い、通信が不安定になることがあります。
<対策>
・Wi-Fiルーターの「チャンネル」を変更する
基本的にWi-Fiルーターは、自動的に割り振られる1~13のチャンネルで端末と接続しています。例えば、Wi-Fiルーターのチャンネルが「5ch」の場合、端末のチャンネルも「5ch」となります。マンションやアパートなどの集合住宅では、近隣の部屋で同じチャンネルを使用していることも考えられます。同じチャンネルを使用していると、電波干渉が起きてしまい、接続が不安定になる可能性があります。
このような場合は、使用するチャンネルを管理画面で変更することで、電波干渉を軽減できることがあります。チャンネルは、隣り合ったチャンネルでは周波数が近く、互いに干渉してしまう可能性があるため、4~5つほど飛ばして設定するとうまくいきやすいでしょう。例えば、5chで電波干渉が起きているなら、1chや10chに設定し直すと、通信速度が改善される可能性があります。
・5GHz帯のWi-Fiルーターを導入する
現在のところ、Wi-Fi(無線LAN)以外で5GHz帯の電波を使用している家電や機器はないため、2.4GHz帯のWi-Fiルーターと比べて、5GHz帯のWi-Fiルーターは電波干渉が起きにくいというメリットがあります。5GHz帯を使用できるWi-Fiルーターは、IEEE 802.11nやIEEE 802.11acなどがあります。Wi-Fiルーターを購入するときは、パッケージにこれらの記載があるかどうかを確認するようにしましょう。
・倍速モードをオフにする
繰り返しになりますが、Wi-Fiルーターと端末は、基本的に1~13のチャンネルで接続しています。Wi-Fiルーターの中には、このチャンネルを2つ同時に使うことで、通信速度をアップさせることができる機種があります。これを「デュアルモード(倍速モード)」といいます。
ただし、使用するチャンネルを増やすと、高速通信が可能な一方で電波干渉も起きやすくなり、かえって遅くなる場合もあります。デュアルモードを切って通常モードにすると、電波干渉が改善されることもあります。
原因2 ファームウェアやドライバに原因がある
ファームウェアとは、電子機器(この場合はWi-Fiルーター)を制御するために組みこまれた機器コントロール用のプログラムのことです。また、ドライバ(デバイスドライバ)とは、端末に接続されている周辺装置をOSによって制御するために、端末にインストールする専用のソフトウェアをいいます。
ファームウェアとドライバは、それぞれ別のタイミングでバージョンアップされます。しかし、どちらか一方のバージョンが更新されておらず、古いままだと、さまざまな不具合が生じるおそれがあります。例えば、通信速度が上がらなかったり、すぐに接続が切れたり、Wi-Fiルーターから電波が飛ばなかったりすることも起こりえます。
<対策>
・ファームウェアとドライバのバージョンを確認する
最初に、メーカーの公式サイトなどで、ファームウェアやドライバの最新バージョンを確認します。次に、Wi-Fiルーターや端末を調べて、ファームウェアやドライバのバージョンが旧式になっていれば、Wi-Fiルーターを操作して最新のファームウェアに更新したり、最新のドライバをパソコンにインストールしたりするなどの対応を行います。
・Wi-Fi(無線LAN)の暗号化機能を一時的に切る
「TKIP」や「AES」などの、暗号化に関連するファームウェアに不具合が生じている場合が考えられます。もし、ファームウェアの更新ができない場合は、一時的に暗号化方式を「WEP」に切り替えることで、改善する場合があります。
・Wi-Fiルーターに内蔵されているセキュリティソフトを一時的に停止にする
Wi-Fiルーターに内蔵されているセキュリティソフトを一時的に停止したり、アンインストールしたりすることで、通信速度が戻る場合もあります。
・LANケーブルに損傷がないか確認する
Wi-FiルーターとモデムをつなぐLANケーブルを確認し、もしケーブルや端子が損傷していた場合は、新しい物に交換することで通信速度が改善されることもあります。
・Wi-Fiルーターの設置場所を変える
Wi-Fiルーターは高熱に弱いため、直射日光にさらされていたり、暖房器具のそばに置かれていたりすると、「熱暴走」を起こして機能しなくなっている場合があります。一度電源を切って冷まし、設置場所を変えてみることで、状況が改善される可能性があります。
原因3 部屋の間取り・広さ
Wi-Fi(無線LAN)の電波は届く範囲に限界があります。小型のWi-Fiルーターでも半径10mほど電波を飛ばすことができますが、壁に仕切られた部屋や2階にある部屋では、電波が届かない場合があります。
また、Wi-Fi(無線LAN)の電波で、障害物を通り抜けるのが苦手な規格(IEEE 802.11acなど)もあります。特に、金属は電波を反射しますので、鉄筋コンクリート製の分厚い壁や天井、柱などが多いと、電波の届く範囲も狭まってしまいます。
さらに、電波は水に弱いため、キッチンや水槽の近くなどにWi-Fiルーターを設置すると、通信性能が低下し、急につながらなくなってしまうこともあります。
<対策>
・Wi-Fiルーターを高い位置に置く
Wi-Fiルーターを床に直接置いている方も少なくありませんが、これはWi-Fi(無線LAN)の電波が遠くに飛ばない原因となります。Wi-Fiルーターを床から1m以上の高さに設置することで、通信状況が改善されることがあります。また、Wi-Fiルーターは、家の中央付近に設置するといいでしょう。
・アンテナの向きを変える
Wi-Fiルーターが外付けアンテナタイプであれば、電波を飛ばしたい方向の直角方向にアンテナの向きを変えることで、通信状況が改善されることがあります。
・Wi-Fi(無線LAN)の中継器を導入する
Wi-Fi(無線LAN)の届きにくい部屋の近くに、無線LAN中継器を設置すると効果的です。コンセントに直接差して設置するタイプの無線LAN中継器なら、場所も取りません。2階建ての家なら1階にWi-Fiルーターを置き、2階または階段の踊り場に無線LAN中継器を設置するといいでしょう。