Vol.25 LANにアクセスできなくなった時のチェックポイント(Windows 7編)
エレコムWi-Fi製品購入ガイド無線LANの基礎知識

LANにアクセスできなくなった時のチェックポイント(Windows 7編)

「Windows Media Center」が標準搭載されたWindows 7では、ますます動画、音楽再生がしやすくなっています。無線LANを通じて、インターネットのコンテンツを楽しんでいたのに、突然インターネットが切れてしまっては、せっかくの機能も有効に活用できません。ここでは、そのようなトラブルがWindows 7搭載のパソコンで発生した場合のチェック方法をOSの特徴と共に紹介します。

ユーザーインタフェースやパフォーマンスの向上で
ますます使いやすくなったOS

Windows 7は、Windows Vistaをベースに2009年にリリースされたOSです。Windows Vistaから搭載のWindows Aeroの改良や新機能のジャンプリストの追加などにより、さらに使い勝手のよいユーザーインタフェースになっています。電源オンにした際のOSの起動やアプリケーションの起動、ウィンドウの切り替え速度の短縮などパフォーマンスも向上しました。特に64ビット版でその威力を発揮します。

また、プリンターなど接続するデバイスをイメージ表示する管理機能や、タスクトレイのワイヤレスアイコンから行う無線LANへの接続のしやすさも特徴といえます。さらに、セキュリティ機能の「アクションセンター」には、トラブルシューティング機能・バックアップ機能などがあり、パソコンのセキュリティを強化しています。

具体的なチェック方法

無線LANの使用中に突然インターネットが切れてしまって、アクセス出来ない現象には、多くの原因が考えられます。電波状態やネットワーク状態など可能性のある原因について、ひとつずつ確認していきましょう。

無線接続の親機と子機の関係

無線LANは、アクセスポイントと呼ばれる親機が、自身に無線で接続する子機(パソコン、タブレット、スマートフォン、テレビ、ゲーム機など)を制御します。親機がルーターに有線で接続することで、配下の子機はインターネットのサービスを受けられるようになります。ルーター機能とアクセスポイント機能を併せ持つ機器が無線ルーターで、Wi-Fiルーターとも呼ばれます。

子機の親機への接続

子機には、必ず無線(Wi-Fi)機能が必要で、搭載していない場合、無線LANアダプターや無線LANコンバーターを無線で接続する機器に取り付けます。

子機が親機に接続する場合、OSに付属するワイヤレス機能から接続する方法、後で取り付けた場合には無線アダプターに提供されたアプリケーションを使用して接続する方法があります。

電波状態の確認

1. まずは近づけて確認
まず、子機を親機に近づけて、接続できるかどうかを確認するのが簡単です。接続できる場合は、次の「周波数帯の特徴を考慮」を読んで、親機が見通せる位置に子機を移動しましょう。
2. 周波数帯の特徴を考慮

2.4GHz周波数帯は、同じ数帯を使用する、電子レンジ、コードレス電話の電波と干渉を起こすことがあります。また、5GHz帯はコンクリートの壁や金属の障害物があると電波が遮られてしまいます。間取りなどのために、障害物を回避できない場合は、無線LAN中継機を使用すると、無線接続の範囲も広がり通信速度も向上します。

無線LANの親機と子機の接続状態を確認

無線LANの親機と子機の接続状態は、子機として接続するパソコンの画面右下のタスクトレイにある、[ワイヤレスネットワーク接続]アイコンを確認します。目的の親機と接続しているかどうかを確認できます。[ワイヤレスネットワーク接続]のアイコンに「×」マークがついている時は、接続していません。

[ワイヤレスネットワーク接続]アイコンをクリックしてポップアップするメニューに接続可能な親機の一覧とそれぞれの現在の電波状態が表示されます。接続する親機にマウスのポインターを合わせると、「シグナルの強さ」が表示されます。「非常に強い」と表示されるのがベストです。

電波状態がよいのに親機と接続できない場合

タスクトレイの[ワイヤレスネットワーク接続]に「×」がついている場合、次の項目を試してみましょう。

  • 1. 親機と子機にWPS機能がある場合、WPSにより子機を自動的に検出します。WPS(Wi-Fi Protected Setup)は、無線設定を自動で行う機能で、子機のWPS機能を起動した後に、親機のWPS機能を起動して子機を検出するものです。WPS機能の起動には主としてプッシュボタンを使用します。
  • 2. 親機、子機を再起動してみます。
  • 3. 子機が接続する親機のSSIDを確認します。SSIDは、無線ネットワークを一意に識別する名称で、混信をさけるために使用されます。
  • 4. 親機、子機の暗号化方式が一致していることを確認します。
  • 5. 親機、子機のファームウェアに最新版がある場合、バージョンアップします。
  • 6. 子機を接続しているパソコンのOSをバージョンアップします。
  • 7. 親機の無線チャンネルを確認します。

親機、子機のファームウェアの更新方法は、製品付属の取扱説明書で確認します。

ネットワークの確認

無線接続が完了しているのに、インターネットに接続できない場合、以下の項目を確認します。

1. 無線ルーターがインターネットに接続していることを確認
まず、無線ルーターがインターネットに接続していることを確認しましょう。正常に接続していることを確認できたら、子機の確認をします。
2. 子機の確認
インターネットに接続できると、タスクトレイの[ワイヤレスネットワーク接続]アイコンをクリックして、表示されるポップアップ画面に「インターネット アクセス」と表示されます。

親機、子機が接続状態であるのにもかかわらず、インターネットに接続できない場合、子機のアイコンに電波マークはつきますが、「インターネット アクセス」が表示されません。子機がインターネットに接続するためには、無線ルーター(無線親機とルーター機能を持つ機器)、または親機が接続するルーターからIPアドレスを取得する必要があります。通常、子機のIPアドレスは自動取得となっています。

解決のためには接続構成を理解する

インターネットに接続できると、タスクトレイの[ワイヤレスネットワーク接続]アイコンをクリックして、表示されるポップアップ画面に「インターネット アクセス」と表示されます。

親機、子機が接続状態であるのにもかかわらず、インターネットに接続できない場合、子機のアイコンに電波マークはつきますが、「インターネット アクセス」が表示されません。子機がインターネットに接続するためには、無線ルーター(無線親機とルーター機能を持つ機器)、または親機が接続するルーターからIPアドレスを取得する必要があります。通常、子機のIPアドレスは自動取得となっています。

無線でインターネット接続中にトラブルが発生すると、電波は目で見えないだけに、困ってしまいますが、まず無線LANは「子機」-「親機」-「ルーター」-「インターネット」(無線ルーターの場合は、「子機」-「無線ルーター」-「インターネット」)で接続していることを念頭におきます。そして、トラブルの原因として考えられることを、順番に確認していくことで多くの場合解決します。ノイズ、障害物などが原因の場合は、電波を使用したLANであることから、それらを回避して使用することも大切です。

参考
> Windows標準の機能で無線接続する方法|ELECOM
>  IPアドレスを自動取得する方法|ELECOM