無線LANの「制限付きアクセス」について
無線LANにPCを接続して使用していると、突然インターネット接続の調子が悪くなり、インターネットアクセスアイコンの模様が変わり「制限付きアクセス(または制限あり、など)」と表示される。そんな経験はありませんか。「制限付きアクセス」とは何なのか、どうやったら解決できるのかについて説明します。
制限付きアクセスとは?
「制限付きアクセス」という文字から「何らかの制限が課せられているが、アクセスはできている状態なのだろう」と考える人も多いと思います。
しかし、実際にはインターネットへのすでに通信が切断されているは行えない場合がほとんどです。
なお「制限付きアクセス」と表示されていても、まれに問題なくネット接続ができている場合があります。この場合は表示側に異常があるわけですが、これをどう正常化するかという説明はここでは省略します。
接続状況が不安定な場合に発生
「制限付きアクセス」が発生するのは、何らかの事情で無線LANの接続状況が不安定になった時です。
- ・ PCまたはルーターが故障した
- ・ PCまたはルーターのドライバ/ファームウェアが破損した
- ・ 他の通信機器や家電製品と電波が干渉している(電子レンジの使用など)
- ・ PC内のソフトのトラブルが無線LANに悪影響を及ぼしている
など、接続状況が不安定になる原因は無数に考えられます。「新しく買った家具に妨害されて電波が届きにくくなった」「近所を、違法アマチュア無線機を使用している車が通過した」などが原因となった事例もあるそうです。
何か思い当たる原因がある場合はともかく、困るのは「たった今まで快適に利用できていたのに、突然制限付きアクセス状態になってしまった」という場合です。機器が故障したとも、何かの設定が変わったとも思えない状況で、問題解決にどのような方法を試してみるべきでしょうか。
まず、試してみるべきこと
下記の順番で試してみてください。「1をやってダメなら2……」という風に段階的に試していくことをおすすめします。また、いきなり作業にとりかからず、いったんこのページを最後まで読んでから作業を開始してください。
- 1 Windows PCの場合、「トラブルシューティング」を試してみる。
- 2 ルーターと機器を可能な限り近づけ、両方の電源を完全に落とし(機種によってはコンセントを1回抜いてさし直し)、再起動する。
- 3 バッテリー駆動の機器なら、十分に充電されている状態かどうかもチェックする。モバイル系機器の場合は「省電力設定」がどうなっているかをチェックする。機器によってはバッテリー容量が低下すると無線LANの出力が不安定になるものもあり、省電力モードに切り替わっただけで出力が低下し、通信が切断されてしまうものもある。「省電力設定」モードが設定されたら解除し、常時フルパワー出力するようにしておく。
電波状況の悪さがトラブルになっている場合も
制限付きアクセスの発生原因には、「もともと電波状況が悪く、今までかろうじてつながっていたが、わずかな環境の変化で接続を維持できなくなった」というケースも十分考えられます。上記の1~3までを試してみて、「いったん問題は解決したが、機器同士を離したらまた同じ状況になった」という場合はこのケースの疑いが濃厚です。「無線LANが不安定な時に試してみること」 のページも合わせてご参照ください。
ソフトウェアの設定を試す
ここまでの手順で問題が解決しない場合、もう少し手の込んだ手順でのテストが必要になります。これららの手順を試す前に、ルーターに付属のマニュアルで「接続できない場合」などのページを見て、そちらの手順を優先してください。
- 4 いったん子機側の無線LAN設定を解除し、ルーターを正しく認識しているか、購入した時と同じ手順で接続できるか試してみる。この際、いったんドライバも削除し、新たにドライバを再インストールする。
- 5 ルーターのファームウェアをアップデートする。現在のバージョンが最新バージョンであっても、再インストールすることで問題が解決する場合がある。
- 6 ブラウザ経由で、ルーターの設定画面にアクセスできるかを確認する。できない可能性が高いが、できた場合は設定画面の値が書き換わっていないかを確認する。もし書き換わっている場合や再入力を求められた場合は正しい値を入力して再起動する。
ユーザーサポートへ連絡を
ここまでの手順を試して復旧できない場合は、マニュアルに表記されているユーザーサポートに連絡をとってください。機器の物理的な故障も疑われます。