無線LANとは何か?
いつの間にか私たちの日常生活の中で当然のように利用されている無線LAN。しかし、あまりにも簡単に利用できるため「我が家にLANが導入されている」ということすら意識していない人も多いのではないでしょうか。そこで、「無線LANとは何か?」について基本的な知識をまとめ、セキュリティ面の注意点についても触れておきましょう。
LANについて
LANとは「Local Area Network」つまり「同一の敷地またはや建物内等に構築されたネットワーク」です。LANは多くのPC同士を接続するため、研究機関や一般オフィスを中心に普及が進みました。
やがてインターネットが普及すると「LANとインターネットをどう接続するか?」という問題が発生しました。
そこで、「LANはLANとして従来通りに使い、どの端末からもインターネットを利用することができ、なおかつLAN内の情報がインターネット上に漏洩しないようセキュリティを施す」という目的で普及したのが機能を持つルーター(有線ルーター)ですが普及しました。
インターネットはルーターに接続され、ルーターを中心に各端末をLANで結びます。ルーターは各端末とインターネットの中継役を果たし、外部からの不正なアクセスを遮断する役割も持っています。
有線LANから無線LANへ
無線LANの世界的標準規格は「IEEE 802.11」といいます。
正確にいうと「IEEE 802.11という通信規格を採用した無線LAN機器を製造するメーカーの業界団体が『Wi-Fi』という共通規格を作り、Wi-Fiが無線LANの世界的標準となった。そのWi-Fiの採用している通信規格がIEEE 802.11である」ということです。
最初に世界的に普及したのは1999年に策定されたIEEE 802.11bという規格でした。これは現在も広く使用されている2.4GHz帯を利用し、規格上の最大速度は11Mbps(または22Mbps)となっています。
これに続き、同じく2.4GHz帯を使用する11g(最大54Mbps)、11n (最大600Mbps)という規格が発表されました。また、11bと一緒に発表された5GHz帯を使用する11a (最大54Mbps)という規格もあります。
現在市販されている無線ルーターには「IEEE 802.11a/b/g/n」といった表記が見られますが、それは「IEEE 802.11の規格のうち、どれとどれに対応しているか」を示しています。
なお、2014年1月に新しい規格「IEEE 802.11ac」が策定されました。11acはアンテナ数や変調方式にいろいろな選択肢がありますが、最大速度は433Mbps~6.93Gbpsとなっています。
スマートフォンの台頭が無線LANを加速
こうした無線LANを一般家庭に普及させた大きな要因はスマートフォンです。一般的なスマートフォンは携帯電話回線である3Gのほか、無線LAN(Wi-Fi)(無線LANとほぼ同じ意味)にも対応しています。
「家庭内でスマートフォンを使うなら、速度が早くて通信料のかからないWi-Fiの方が得で便利」ということになり、一方、無線ルーターも低価格化・高機能化が進んだため、家庭内でのLANは無線LANが主流となりました。
漏れる電波にご用心!
有線LANと無線LANの最大の違い。それは「無線LANは電波が屋外に漏れてしまう」という点にあります。特に一般住宅や共同住宅では、家の周辺や隣家などから電波を傍受できる場合があります。
電波の特性上、漏洩を完全に防ぐことはできないため、無線ルーターにはファイアーウォール、WPA2-PSKをはじめとする、(AES)、WPA-PSK(TKIP)、WEP(128/64bit)などのさまざまな無線セキュリティ対策が施されています。電波の漏洩を防ぐことはできませんが、これらのセキュリティ対策によって電波でやり取りする情報を暗号化したり、第三者からの悪意あるアクセス・攻撃を遮断したりすることで情報が傍受されたり、LAN内に侵入される危険を防ぎます。のセキュリティを守ります。
しかし、第三者が無線セキュリティーのキーログインパスワードを知った場合やLANの利用者が不用意なポート開放などを行った場合、これらのセキュリティは簡単に突破されてしまいます。
もちろん、ルーターの説明書を読んで注意事項を守っている限りはこのような危険はほとんどありません。しかし、インターネット上の怪しい情報を鵜呑みにしてルーターの設定を変えたり、あるいはIDとパスワードセキュリティーキーを簡単に推測できるものにしておいたりといった不注意があると無線LAN内は危険にさらされます。くれぐれもご注意ください。