Vol.2 どんな基準で無線ルーターを選ぶべきか?正しい無線LANの選び方
エレコムWi-Fi製品購入ガイド無線LANの基礎知識

どんな基準で無線ルーターを選ぶべきか?
正しい無線LANの選び方

無線ルーターにはさまざまなタイプの製品があります。比較的大型の据付タイプのもの、コンパクトなモバイルタイプのもの。形状が異なるもの、外見はよく似ているのに、価格帯がまったく異なるものなどなど。これらの違いが何によって発生し、購入するときにはどんな基準で選択すればいいのかといった選び方について初心者の方にもわかりやすいように解説していきます。

無線ルーターの選び方 3つのポイント

最初にお断りしておきますが、よほど専門的な場合でない限り、「無線ルーター」「無線LANルーター」「Wi-Fiルーター」はすべて同じ意味で使われます。「ルーター」を「ルータ」と表示してある場合も同じです。ここでは混乱を避けるため「無線ルーター」に統一して話を進めます。

無線ルーターの基本性能は

  • ・通信規格
  • ・最大通信速度
  • ・電波強度

の3つで知ることができます。この3つに基づいて無線LANの選び方を説明しましょう。

接続したい無線LAN機器に対応しているか?

通信規格は「IEEE 802.11a/b/g/n/ac」などと表記されますが、IEEEを省略して、「802.11 a/b/g/n/ac」または単に「11 a/b/g/n/ac」などと表示されている場合もあります。
(IEEEに関しては「無線ルーター なぜ価格帯が分かれている?」 のページで説明していますから、そちらもあわせてご覧ください)

IEEEは上位の(より新しい)規格の方が通信速度は早く、最新の802.11acという規格では理論上の最大通信速度が290Mbps - 6.9Gbps以上となっています。多くの無線ルーターはIEEE 802.11の歴代の規格をなるべく幅広くカバーすることで、接続できる機器の種類を豊富にしようとしていますが、自分の持っている無線LAN対応機器が高速な802.11ac対応でも、購入した無線ルーターがそれに適合していなくては11acでの高速通信はできません。
また、使用している周波数帯が異なる規格の場合、接続が行えません。
ですから、無線ルーターを選ぶ際は「より高速な通信規格に対応したもの」「このルーターに接続したい機器が接続可能な通信規格のもの」を選ぶ必要があります。

最大通信速度=実測値ではない

次に、最大通信速度についてです。一般的に、無線ルーターの最大通信速度には「理論値」というただし書きが添えられていると思います。これは「このルーターが採用している規格上、理想的な環境が整えば、理論的にはこれくらいの数値が出せるはずだ」という意味です。この数値には、実際に送受信されるデータの量だけではなく、通信を管理するために利用される通信の量も含んでいます。そのため、実際に送受信されるデータの量である実測値は理論値の半分~1/3程度になるケースが多いのですが、最大通信速度の理論値が速い方が実測値もそれに比例して高くなるはずです。製品選びに迷った時、他の条件がほぼ同じなら、最大通信速度の速い方を選ぶべきでしょう。

電波強度はノーマルかハイパワーか

無線ルーターを選ぶ上で、状況によっては一番重要なポイントとなるのが電波強度です。これは「アンテナの性能」と考えればよく、電波強度が強ければ強いほど、より遠くの機器と安定した通信が可能になります。ただし、無線LANの電波出力には電波法による規制があり、無制限に電波強度を高めるわけにはいきません。

一般的な無線ルーターには、一般的な家屋内での用途には十分と思われる「ノーマル」タイプと、ノーマルタイプでは電波が届きにくい2階建て住宅・鉄筋マンションなどでの利用に適した「ハイパワー」タイプの2種類が販売されています。
エレコムの製品ページではルーターに「4LDKマンション」「戸建て3階建」「ご利用人数5人」などの利用目安を併記しており、最適な通信環境の製品を選んでいただけるようになっています(※利用目安はその条件での通信を確実に保証するものではありません)。